『漢字、漢字、漢字…。』

日本語教師こぼれ話
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 「先生、漢字は全部でいくつありますか。」

 漢字の勉強を始めた留学生からよく聞かれる質問です。小学校で勉強するのが約1000字。さらに常用漢字となると約2100字。この数字を答えると、学生の目は「点」になります。

 日本での大学進学を目指す留学生のコースでは、初級でひらがな、カタカナの学習が終わると漢字の勉強が始まります。日本人も小学校~高校までひたすら覚え続けた漢字。大人になって、漢字のない国から来た留学生にとってはとてつもなく大きな山です。

 でも学生たちは、私たちが想像もしない漢字のとらえ方をしているようです。

「遅」= 遅刻するのは人なのに、どうして羊がいるんですか?

「歩」= 「少し」+「止まる」、なのにどうして「あるく」んですか?

「内」「肉」= 体のなか(内)には肉があるという意味ですか?じゃあ、「人(←肉の5,6画目)が「にく」の意味ですか?

「家」= 家は人間が住むところです。ぶた(豚)が家の中にいるのはおかしいです!

日本語教師の力では、日本から漢字を消すことはできません。でも、少しでも学生の負担が減るようにサポートすることが、日本語教師の大切な役割だと思っています。(勝間田)