苦手なことも武器に!

日本語教師こぼれ話
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「先生、その人はどうして掃除をしているんですか?」

授業中、旅行者の会話の場面を提示しようとスーツケースを持っている人の絵を描いたら、学生に真顔でこう質問されてしまいました。

私の画力はこの程度なので、必要なイラストや写真を準備していったり、スマホで見せたりして、絵を描くことは極力避けています。しかし、「これぐらいなら描ける」と思い、絵を描いて説明しようとすると画力がバレてしまいます。

でも、役に立つこともあるんです。

あるにぎやかなクラスでのこと。集中力が切れてしまうと、ワイワイ、ガヤガヤ…。なかなか静かになりません。そんな時、ふとホワイトボードに絵を描き始めたら、だんだん静かになり、ジーッと私が絵を描いているところを見ています。

私 :ここは、どこですか?
学生:…。
私 :コンビニですね?
学生:あぁ!

私の絵が何を表しているのか、学生は必死に考えてくれているのか、その後は集中したまま授業が続けられました。

これはいい方法だと思い、今でも学生の集中力が切れると、ときどき絵を描いています。時には期待の眼差しで、時には心配そうな目で、静かにジッと見つめてくれることが多いです。

画力のなさは授業には役立たないと思っていましたが、苦手なことも使い方によっては役に立つようです。(小山)