太った先生

日本語教師こぼれ話

  学生:太った先生いますか

学生が職員室に先生を探しに来ました。職員室にいた先生の一人が、慌てて学生に駆け寄り、「その言い方は失礼ですよ」と注意をし、探している先生について他の特徴を聞いています。

  先生:メガネはかけていますか?背は高いですか?
  学生:わかりません。太った先生です。
  先生:????
  学生:会ったことがありません。太った先生です。名前です。
  先生:会ったことがないのに、太っていることを知っているの?
  学生:先生の名前が「太った」です。太った先生です。

対応した先生が「ふ」が付く先生や発音が似ている先生を挙げましたが、どれも違います。なかなか伝わらないからか、学生が学校から来たメールをその先生に見せました。

  先生:あ!!!!!!太田先生か!!!

その学生は「太田」を訓読みで「ふとた」と読んでいたのでした。
「太」という漢字は「太(ふと)い」「太(た)郎」と読むのが一般的です。この学生は一般的な読み方は知っていましたが、名前や地名で「おお」と読むことは知らなかったのでした。

学生たちにとって、日本人の名前や地名に使われている漢字の読み方は難しいようです。漢字を教えるときは「少しでも生活の中で読める漢字が増えるように」と、教科書に書かれている読み方だけではなく、先生の名前や身近な地名も併せて紹介するようにしています。(太田)