日本語教師として現場に立つと、学生の発音の問題に出くわすことが多いです。
例えば、ある学生との面談中…。
私「受験の準備はどうですか。大丈夫ですか。」
学生「はい。この大学院には、わたしの煎餅がいます。その煎餅がいろいろ教えてくれました。」
私(せ、煎餅…?)
その場で必死に頭をフル回転させ、学生は「先輩」と言いたいのか、と気付くのに5秒ほど時間がかかりました。
このように、教師は日々、頭の中で様々な言葉を連想し、学生の言わんとしていることを推測しています。しかし、「正しい発音で話さなければ伝わらない」ということを学生に感じてもらうために、あえて学生同士で会話をさせることがあります。学生は日本語母語話者ではないので、推測したりしてくれない、ある意味教師よりも発音に厳しい存在だからです。
さて、中国人学生同士で会話をさせたところ、こんな事件がありました。
Aさん「私は、国でチャドーを習っていました。」
Bさん「あ~。チャドーですか。私も習いたいです。先生は日本人でしたか。」
Aさん「はい。日本でもチャドーを習いたいです。」
彼らは2人とも、「茶道」を「チャドー」だと思い込み、話が通じてしまっていたのでした。私が正しい読み方を指摘したところ、2人とも大笑い。同じ国籍同士なら、稀に伝わってしまうこともあるんだね、という事件でした。次は、中国人同士でもちゃんと「さどう」と発音してくださいね!
・・・・・・後日談・・・・・・
この文章を書いたあと、日本語教師の先輩に「茶道には、ちゃどうという読み方もあるんだよ」と言われました。
知らなかった…。(津島)