日本で進学を目指している学生たちは、日本語の学習はもちろん、受験のためにさまざまな準備も進めています。そんな学生たちが最も心配しているのは「面接」です。外国語である日本語で面接を受けるのは、まさに頭が真っ白になるほどの緊張です。
ある学生は緊張のあまり、面接が終わると「ごちそうさまでした!」と言って部屋を出てしまったそうです。緊張が解けたからかもしれません。「もうダメだ~」と諦めていましたが、結果は合格でした。
学生たちにとっては面接の質問の中で、「卒業後はどうしますか?」が一番難しいそうです。
先日、卒業後について聞かれたらどう答えればいいのか、と学生たちから真剣な質問がありました。
私(教師):どう答えればいいと思う?
学生1 :「将来のことはまだ分かりません。」
私 :面接のとき「分かりません」と答えたら、面接の先生はその答えをいいと思うでしょうか?
学生たち :う~ん…。
学生2 :面接の先生が気に入ることを話します。
学生3 :ホームページを見て、先生が求めていることを話します。
学生4 :…それじゃ、みんな同じ答えになってしまうかもしれない…。
学生5 :じゃ、うそを言います。
学生6 :上手なうそのつき方を教えてください!
私 :(絶句)!
すると、ある学生が「正解はないんですね」と言いました。その通りです!テストの正解のような、決まった答えがあるはずがありません。私は言いました。「正解は、一人ひとりが持っているんだよ。勉強している間に、将来の希望が変わることだってある。変わってもいい。若いみんなが変わるかもしれないことは、大学の先生だって分かっている。でも、将来についてどう考えているか、今の計画を大学の先生は知りたいんだよ」。私自身、学生のときに将来像をはっきりイメージしていたとは言えません。でも、「面接」があるからには、学生たちには「考えて」ほしい。留学という大きいチャレンジをした学生たちです。自分と向き合って考えれば、きっと未来の可能性がたくさん出てくるはずです。(小川)