私の教える校舎では、毎年約2週間の夏休みがあります。夏休み明けの初級クラスの授業で「~すぎる」という文型を学習した際に、「夏休みが短すぎます」という文に対してクラスの皆が大きくうなずきました。
夏休み明けの数日間は、「海へ行きました」、「富士山に登りました」「大きな吊り橋を渡りました」など、休み中の経験を嬉しそうに話す様子とともに、普段とはちょっと違う様子も見られました。
初級クラスでは、何か言いたいことがあるのに言葉が出て来ず慌てて教科書を見返すという姿が見られたり、中級クラスでは、「そこに友達がありましたが…あっ、いましたが」など、普段はしないようなミスが目立ったりと、皆のエンジンがかかりきらない場面が続発。上級クラスでも、毎日行う小テストのディクテーションで、「祖父と同居するために自宅をリフォームした」という教師の音声のみの出題に、数名の学生が「ソフト同居するために…」と書き取り、答え合わせの時に「ソフトな同居って?!」とお互い笑ってしまう場面もありました。
もちろん、普段も失敗を繰り返しながら前進する日本語学習ですが、この数日の様子が休みボケなのだとしたら、2週間という夏休みは「短すぎる」わけではなく、程良い長さなのかもしれません。(廣比)