「ゲームをやめた理由」

日本語教師こぼれ話
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 授業で「ゲーム依存症」をテーマに話し合っていたときのことです。学習者自身のことを振り返り、子どもや若者とゲームの関わり方について自由に意見を出してもらいました。

 母国では学校にいる時間以外はゲームばかりをしていたという人や、全くしなかったという人もいました。おもしろいことにゲームに熱中していたのは全員男性で、女性はあまり興味がなかったようです。その中である学習者が、ゲームとの接触を減らした話を始めました。「自分も高校生までは1日何時間もしてきたが、ある時、このままでは自分がダメになると思った。将来いい生活をするためにお金がたくさん欲しいので、そのために勉強して大学に入ってたくさんお金を稼ぎたい。」という話でした。他の学生からは「おーっ」とどよめきがおこりました。

 「自分は何がしたいのか」という目標を持ちづらい学習者たちがゲームにのめり込むことも理解できます。その一方で、自ら見つけた目標に向かって進んで行こうとする彼を頼もしく思うとともに、まだ目標が定まらない学習者に寄り添って一緒に答えを見つけていこうと改めて思いました。(阪上)