千駄ヶ谷日本語学校には日本の大学、大学院、専門学校への進学を希望する学生が多く在籍しています。学生たちはこれまで培った日本語力を最大限に活かし、進学先の資料を集め、必要な書類を準備し、面接の練習をします。
先日、大学入学試験の面接を間近に控えた学生と面接の練習をしました。練習の初日は言いたいことがなかなか伝わらず、お辞儀もうまくできませんでした。
面接練習では志望理由などの話す練習はもちろん、お辞儀や入室などのマナーの指導もします。部屋のドアをノックし、「失礼します」と言ってお辞儀をし、ゆっくり歩いて椅子の横に立ち、面接官の目を見て名前を言う……。張り詰めた空気の中、この一連の動作をするのは誰でも緊張するものですが、留学生は日本語で面接を受けるわけですから、私たち以上に緊張することでしょう。また、日本人にとっては当たり前であるお辞儀は多くの外国人にとって難しい動作のようです。首が前に出てしまったり、背中が丸まっていたり、相手の目を見ながらお辞儀をしたりする人もいます。一度ではなかなかうまくできるようにはならないため、何度も繰り返し練習します。
練習は時間がかかりましたが、他の学生とも一緒に練習したり、自身の面接の様子を動画で撮って見てみたり、色々な先生と話す練習をしたりして回数を重ねることで、最後には自然なお辞儀もできるようになり、言いたいこともしっかり伝わるようになりました。
本番の面接後に学校でその学生に会ったとき、「練習でしたことと同じことを聞かれて、うまくできました」と明るい表情で言っていました。全力で頑張る学生一人一人の夢や目標のために、教師も全力でサポートしています。(阿部)