前回まで、最近「夜御飯」という言葉を使う人が増えたことを見てきましたが、なぜそうなったのでしょうか。
それは、「夜御飯3」でご紹介した『日本語語感の辞典』にあるように、“「晩」の使用頻度が減って、朝・昼・夜というとらえ方が一般的になった”からだと思います。子供が言葉を覚えていくとき、「朝→朝御飯」「昼→昼御飯」からの応用で「夜→夜御飯」という言葉を作り出すのは自然なことでしょう。周りの人が直さなければ、そのまま「夜御飯」を使う大人になっていくのではないでしょうか。また、元々「晩御飯」を使っていた人が「夜御飯」という言葉を聞いて、それに切り替えることもあるかもしれません。
さて、「夜御飯」という言葉を外国人学習者に教えようと思った養成講座受講生のAさんですが、考えた末、本番では「晩御飯」という言葉を教えていました。今回はたった一つの言葉でしたが、日本語を教えることから発見できることは他にもたくさんあります。機会があれば、またお伝えしたいと思います。皆さんもぜひ自分や周りの日本語を観察してみてください。 (み)