第320回 「もしドラ」という語(2)

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前回取り上げた「もしドラ」、「やぶへび」、「たなぼた(棚ぼた)」、「どろなわ(泥縄)」は、すべて4つの音(4拍)でできています。略語はこのように4つの音(4拍)でできているものが、最も多いと言われています。しかも、意味の面から構造を考えてみると、「2音(2拍)+2音(2拍)=4音(4拍)」になっているものがとても多いのです。以下ではそのような略語の例をみていきましょう。

これらはかなり一般化しているものです。略語を使うほうがむしろ普通ですね。

カラオケ:空(から)オーケストラ

だんトツ(断トツ):断然トップ

コンビニ:コンビニエンスストア

リモコン:リモートコントロール

エンスト:エンジンストップ

うなどん(鰻丼):うなぎどんぶり

てんどん(天丼):てんぷらどんぶり

だいそつ(大卒):大学卒業

大学生との会話でよく聞く略語には、

がくさい(学祭):学園祭

がくしょく(学食):学生食堂

しゅうかつ(就活):就職活動

があります。大学生と会話の機会がなければ、途惑う表現かもしれません。

「メリクリ」「あけおめ」「ことよろ」「メリクリ」は、携帯電話のメールで広まっていった略語です。

メリクリ:メーリークリスマス

あけおめ:あけましておめでとう(ございます)

ことよろ:今年もよろしく(お願いします)

携帯(携帯電話)では、パソコン(パーソナルコンピュータ)よりも文字を打つのに時間がかかりますから、このような略語の挨拶はとても便利です。ただし、誰に対してでも使える表現ではありませんね。

(吉)