明治時代以降、上流階級の女性の名前から庶民にも拡がった「~子」という名前。当初は高貴で上品なイメージが好まれたのでしょうが、あまりに多くなると普通すぎて無味乾燥な印象が強くなってしまったのか、だんだんと減ってきているようです。
最近では、音の響きがきれいな名前や海外でも通用しやすい名前、他の人とは違うオリジナリティのある名前などが人気のようです。前出の明治安田生命の生まれ年別名前ランキグでも、平成21年(2009年)生まれの女の子の名前は1位以降、「陽菜」「美羽」「美咲」「美桜」「結愛」などが並んでいます。確かに、私の身の回りで最近生まれた女の子の名前を思い出してみても、「~子」という名前は思い当たりません。
「~子」という名前は今では人気がなくなってしまいましたが、その名前が本来持っていた、その人を敬う意味や上品なイメージを考えるとなかなかいい名前だと思います。今後、そのような点が見直され、再び「~子」という名前が人気になることがあるのでしょうか。興味深く見守りたいと思います。(み)
<参考>
・奥富 敬之『日本人の名前の歴史』1999,新人物往来社
・佐藤 稔『読みにくい名前はなぜ増えたか』2007,吉川弘文館
・名前ランキング 明治安田生命
・人名 Wikipedia
・日本の女性名はなぜ流行りすたりが激しいか?
・ことばをめぐるひとりごと その15 減少する「子名前」