皆さんは、「おっさま、ささって、おんさる?」と聞いて、どんな場面を思い浮かべますか?この言葉、私の生まれ育った岐阜県の方言なんですが、標準語に訳すと「和尚様(お坊さん)、しあさって、いらっしゃる?」という意味になります。
標準語では、きょう・あした・あさって(二日後)・しあさって(三日後)、と言うのを、岐阜では、きょう・あした・あさって(二日後)・ささって(三日後)・しあさって(四日後)、と言うのです。
「きょう」の二日後である「あさって(明後日)」は、語源辞典によると、「あす去りて→あすさて→あさて→あさって」と変化した言葉だそうです。明日という一日が去ってまた新しい日がやってくる・・・、素敵な言い方ですね。
さて、岐阜の方言「ささって(三日後)」についてですが、「再来週」は「さ・らいしゅう」、「再来年」は「さ・らいねん」と読みますね。岐阜では「きょう」の三日後を「さ・あさって(再・明後日)」と表現し、それが短く「ささって」となったと考えられています。「しあさって」を三日後と思っている人と、四日後と思っている人が待ち合わせの約束をしたら・・・、大変なことになりそうですね。
さて、「おんさる」ですが、これは「いらっしゃる」、つまり「いる」「行く」「来る」などの尊敬語です。
この「いらっしゃる」に当たる岐阜の言葉をご紹介していきたいと思います。
(イ)つづく