第282回 着物にまつわる慣用句3

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「帯に短し襷(たすき)に長し」と言いますが、「帯にするには短く、襷にするには長い」長さとは、具体的にどのぐらいの長さを言うのでしょうか。

さっそく、自宅のたんすから帯を出して長さを測ってみました。結果、浴衣用の半幅帯で約3.8m、訪問着などに合わせる袋帯で約4.3mでした。結構長いものですね。対する襷はというと、あいにく手持ちのものが無かったため通販のサイトで調べてみたところ、短いもので2.4m、長いもので2.9mのものが見つかりました。

ということは、大体3mから3.5mぐらいのものが「帯にするには短く、襷にするには長い」長さということになるのではないでしょうか(時代や細かい用途によって長さは多少違ったかもしれませんが)。

何にせよ、「中途半端だ」ということを帯と襷で例えるなんて、それだけ生活に結びついた、実感のこもった表現だったんでしょうね。(み)つづく