第280回 着物にまつわる慣用句1

日本語の美しさ
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「彼の証言には辻褄(つじつま)が合わない点が多くある」などのように、物事の道理や筋道を「辻褄」と言います。さて、この「辻褄」というのはどのようにして生まれた言葉なのでしょうか。

辞書等で調べてみたところ、「辻」も「褄」も着物(和服)にまつわる言葉のようです。「辻」というのは裁縫用語で縫い目が十文字に合うところ、「褄」は着物など長着の裾の左右両端の部分とのこと。確かに、「辻」も「褄」も正確に縫わないと、いいかげんな着物になってしまいそうですね。

このシリーズでは、このような着物にまつわる慣用句、ことわざについて考えてみましょう。

(み)つづく