「老人語」という言葉を聞いたことがありますか。
『新明解国語辞典』(三省堂)には、「すでに青少年の常用語彙の中には無いが、中年・高年の人ならば日常普通のものとして用いており、まだ死語・古語の扱いにはできない語。例、日に増し(=日増しに)・平(ヒラ)に・ゆきがた・よしなに・余人(ヨニン)など」とあります。
他の主だった辞書に「老人語」はなく、この辞書の初版(1972年)が発行された当初、「老人語」という命名や内容に異論・反論が出たようです。かつて多くの人々に使われてきた言葉の扱い方としては、身も蓋もない名称だなと私も思いますが、その後「老人語」は、この辞書の内容を踏まえながら、もう少し広い意味で使われてきています。ここではその名称はさておき、「老人語」の中身について見ていきましょう。
(た)つづく