教室の外で日本語を話そう

日本語教師こぼれ話
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4月は、日本語学校も出会いの季節。新しいクラスを担当することになりました。
担当するのは、来日して日本語を学び始めて3ヶ月の学生たち。
自己紹介を兼ねて、日本語を使って何ができるようになったか尋ねました。

すると、ある学生がこんな答えを発表してくれました。
「日本のおじいさん、おばあさんと話せるようになりました。」
彼は、大学を卒業して間もない若い学生。一体、どこで出会ったんだろう?
詳しい状況を尋ねてみました。

教師「おじいさん、おばあさんとどこで話しますか。」
学生「近所の店です。」
教師「どんな話をしますか。」学生「今日の野菜はいいですね、とか、話します。」
…ここで、私の頭に浮かんだのは、近所の八百屋で野菜を選ぶ学生とお年寄りの姿でした。
この学生は、ご近所さんと日常会話ができるようになった、と言いたかったのです!
たった3ヶ月で、既にご近所さんとコミュニケーションが取れるようになっていることがわかり、感心してしまいました。

留学生にとって、教室以外の場所で日本語を話すことは特別なことであり、貴重な実践の場となります。
私たち日本語教師は、日々教室でも様々な場面を提示して会話練習をさせていますが、学生が日本語力を伸ばす上で、実践に勝るものはありません。
このこぼれ話を読んでくださっている方、身近に日本語を勉強している外国人がいたら、是非積極的に日本語でおしゃべりしていただければと思います。(津島)