若さってすばらしい

日本語教師こぼれ話
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ベトナム、タイ、フィリピンの学生がいるクラスでのこと。その日の授業は「腕、ひじ、背中」などの体の部位と、「曲げる、伸ばす、まわす」などの動作表現でした。イラストを見せながらことばの導入や確認をしていきました。学生たちは自分の体の一部なのに、日本語で何というか知らなかった!と気がつき、一生懸命メモをとりながら覚えようとしていました。

そんな学生たちにさらに楽しく覚えてもらうため、応用練習として、歌の振り付けに挑戦してもらうことに。選んだ歌は「世界に一つだけの花」。休み時間に日本の歌を口ずさむこともある彼らでしたが、その歌を知っている人はいませんでした。

まずは日本人が歌っている映像を見せ、曲の雰囲気を知ってもらい、次に歌詞を確認。比較的易しい日本語で書かれた歌詞は、学生たちにも理解しやすいようでした。次に、その日の学習内容である体の部位や動作表現を使って、「指で1を作って、手を前に伸ばす」「胸の前で手を握る」など、振り付けをしてみました。2回ほど全体で練習をしてからいざ本番、映像に合わせて動いてみました。すると驚いたことに、練習した振り付けだけではなく、なんと歌までもメロディに合わせて大きな声で歌っているのです。日本語の歌と振り付けに挑戦してくれたことも嬉しかったのですが、学生たちのそれらを覚えるはやさに、若さのすばらしさとそれが世界共通であることをひしひしと感じたのでした。(川畑)