みなさんは「『もの』というのは何ですか?」と日本語を学ぶ外国人に質問されたら、何と言って説明しますか。考えてみても、なかなか説明が難しそうで、思わず、「『もの』は『もの』でしょ!」と言いたくなってしまいそうです。今回は私たちが普段よく使っている「もの」という言葉について、考えていきたいと思います。
「もの」という言葉を国語辞典で調べると、最初にこのような説明が載っています。
「世の中の目に見えるすべてのもの。」
う~ん、わかるような、わからないような、といった感じでしょうか。私たち日本語の母語話者は「もの」という言葉を感覚的に理解できるので、このように説明されればなるほどそうか、という気にもなりますが、外国人学習者はそうはいきません。彼らはきっとこの辞書を見たら、「『もの』を説明するのに『もの』が使われている!」と不満を言うはずです。(田)つづく