「的」の付くことばをいくつか挙げてみます。
国際的 経済的 一般的 現実的 論理的
これを見ると「国際、経済、一般、現実 論理」に「的」が付いており、「名詞+的」であることわかるでしょう。では、「的」が付くと、どうなるのか。「名詞+的」が文においてどのように働くかを見ていくと、
この街は国際的だ。
国際的な仕事がしたい。(「-な」を伴わず「国際的仕事」という用法もある) 中村さんは国際的に活躍している。
「-的だ」「-的な」「-的に」となっています。これは、「ここは静かだ。/静かな場所/静かに遊ぶ。」のように「静か(だ)」と同じ語形変化(活用)をします。「静か(だ)」は形容動詞という形容詞の一種です。つまり、「-的」は名詞から形容動詞を作る要素なのです。専門的に言うと、「形容動詞性接尾辞」と言います。
この「的」は日本語の助詞「の」に当たる中国語で、明治期に英語の“romantic”などの“-tic”を日本語に訳す時に使用され(例:浪漫的)、広まったと言われています。
ちなみに中国語で「私の家」は「我的家」となります。そこで、日本語のクラスで中国の学習者が「(これは)日本的習慣(である)。」を「日本の習慣」と読むようなことがあります。この「日本的習慣」の「的」は日本語なのにわざわざ「の」に翻訳したというわけです。(よ)つづく