第287回 うなずき3

日本語の美しさ
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日本人がうなずいたりあいづちを打ったりするのは、了解や同意を表す時ばかりでなく、話し手の話を聞いている、話の続きを促しているという場合がありますが、相手に敬意を表すという働きもあるようです。また、内容の切れ目や話し手が間を置いた時に限らず、相手の話にかぶせて行う点が、ほかの国の人たちとは大きく違うと言われています。このようなことから、日本人のうなずきやあいづちの現れる場面は、ほかの国の人たちよりも多いと考えられます。

数年前まで、海外を旅しているアジア人と言えば、多くが日本人でした。その後、韓国人が増え、今は圧倒的に中国人です。私は夫と二人でよく旅行するのですが、最近の旅行でも、中国人観光客の数の多さを実感してきました。団体だとどこの国の人なのかわかりやすいのですが、判断するのに微妙なのが2~4人の小グループの場合です。でも、それもしばらく様子を観察していると、少なくとも日本人かそうでないかはわかります。話している相手に対してうなずきの回数が多いかどうかが判断の根拠です。ある調査によると、中国人とアメリカ人と日本人を比較した場合、日本人のうなずきの頻度は突出しているそうです。

(こ)つづく