ドイツ・ミュンヘンに15年以上住んでいる日本語教師の友人に聞いてみたところ、ドイツ人がうなずく時というのは、「あなたの言うことはよくわかりました」「私もあなたの意見に同意します」という時だけなのだそうです。それ以外の場合は、頭を動かさずに黙って相手の話を聞くのが普通だということでした。それを聞いて、ドイツ以外の国の人たちのことを考えてみたのですが、CNNやBBCのニュース番組でインタビューなどのシーンが流れると、聞き手の側がうなずくのはまれにであって、ほとんどの場合はじっと聞いているだけです。
一方、日本人同士が話している場合は、うなずいたりあいづちを打ったりするのは頻繁に行われます。つまり、ほかの国の人たちは理解や同意を表すのにうなずきやあいづちを用いますが、日本人の場合はもっと別の意味でも用いていると考えられます。例えば、「あのね」「(うなずき)」「昨日ね」「(うなずき)」「デパートに行ってね」「(うなずき)」。このようなうなずきは「あなたの話を聞いていますよ」というサインです。また、「それからどうしたの?」といった話の続きを促す意味もあるでしょう。
ほかに、うなずきやあいづちにはどのような意味があるでしょうか。
(こ)つづく