「とり」「みずどり」「ひだり」・・・。これらの言葉は何を表すものでしょうか。答えは「お酒」です。いずれも酒類一般を指す洒落言葉です。「とり」と いう漢字は「酉」ですが、「酒」という漢字にも部首として使われています。元々「酉」は酒壷を表した象形文字で、この「酉」が使われている漢字は何らかの意味でお酒につながります。例えば、「酌をする」の「酌」、「酔う」の「酔」、「醸造する」の「醸」、「発酵させる」の「酵」等いずれもお酒に関るもので す。医学の「医」も旧字体「醫」には「酉」が使われていますが、古くはお酒が薬として使われていたことによるものと考えられています。こうしたことから、 「酉(とり)」はお酒を表す言葉として使われます。「みずどり(水酉)」も同じ由来で、お酒を表す言葉として知られています。
では「ひだり」はどうでしょうか。大工さんは「右手に金槌、左手にノミ」を持って仕事をします。もうおわかりでしょう。「ノミ」と「飲み」をかけた洒落 言葉です。盃を左手で持つことも関係しているという説もあります。酒好きを表す「左党」という言葉も「ひだり」から派生してできました。ちなみに「右党」はお酒が飲めず、甘い物が好きな人を表す言葉です。(に)